HARUにひとりエッチを聞かせるなんて・・・いくら普通のコよりもエッチに対して奔放な考えを持っている秋乃でも、それは恥ずかしいものだった。けれど、それ以上に HARUに求められたこと...HARUが喜んでくれたこと...HARUが興奮してくれたことが・・・たまらなくうれしかった。
他人に自分をさらけ出す事が ほとんど無い秋乃にとって、まだ実際には逢ってもいないHARUに対して こんなに恥ずかしい行為まで、さらけ出せてしまうのが不思議でもあった。
毎日のようにSkypeで話している二人。今日一日 何があったかを報告しあい、興味のある話題を話していると、あっという間に1~2時間なんて経ってしまう。そして、最後は決まってエッチな気分に(笑)
「HARUに逢いたい」『AKIに逢いたい』「気持ちいいこといっぱいしたい・・・されたい。」
逢いたくて、抱き合いたくて...お互いを求め、焦がれて、発せられる言葉。
その気持ちに温度差はなく、いますぐ触れたいのに触れられない切なさに 心が押しつぶされそうになる。
最近では、会社で高橋と恵が一緒にいるところを見ても 何も感じなくなっていた。恵と高橋のことを知った頃は、どうしても高橋に対してそっけない態度になっていたのに、HARUと出逢って 心の傷を癒してもらっていくうちに、普通の上司と部下の距離で接することができるようになっていた。
それほど秋乃のなかで、HARUの存在は大きくなり、間違いなく心の支えになっていた。
長くも短くも感じるような日々が過ぎ去り、HARUと逢うまで あと数日というある日。
秋乃はすっぴんの画像をHARUに送る。
HARUとのデートの数日間、お泊りで過ごすということは、メイクを落としてスッピン姿を見られることになる。今までHARUに見せていた画像は、きちんとメイクをした 写り映えの良いものばかり。
いつも『AKIは可愛いね(●´ω`●)』と言ってくれるHARUに、スッピンを見せる自信は無かった。でも、実際に逢ってからスッピンで引かれるくらいなら、前もって自分の素顔を知っておいて欲しかった。
そんな秋乃の気持ちも、HARUにはお見通しだったようで・・・
HARU
『もしかして、スッピン見せる予行練習?(笑)大丈夫だよ、スッピンも可愛い。それにスッピンになると、なお一層、童顔になるんだね(笑)』
と言われてしまった(笑)
HARUは、自分の腕の中で素顔で眠っている秋乃が想像できて 嬉しかったようだ。
約束の日が近づくにつれて、秋乃の緊張は増していった。毎日声を聞いているし、メールでも沢山やりとりしているし、画像を送り合って お互いの雰囲気や姿形は分かっているつもりだけど、どうしても緊張が止まない。きっと・・・実際に逢ったら、しばらくはHARUの顔も見れず、目すら合わせられないだろう。
ずっと付き合っていた元彼とでさえ、遠距離でひと月ぶりに逢うと、しばらくは顔が見れないくらい緊張していたのだから。
きっと、しばらくの間は HARUの顔を見れないくらい緊張しているはずだとHARUに伝えると、そんな秋乃を気遣ってくれ・・・『じゃぁ、逢ったら すぐ手を繋ごうよ』と言ってくれた。
手を繋いで一緒に歩くことで、少しでも緊張を解すことが出来るのではないか・・・ということだった。
そんな気遣いをしてくれるHARUを、ますます好きになった。
そして、いよいよ、対面を果たすという前夜。
秋乃
「あぁぁぁ ドキドキするよー、本当に緊張してる。心臓破裂しそう(笑)でも待ちきれない!」
HARU
『俺も・・・かなり緊張してるよ(笑)』
秋乃
「HARUは・・・全く緊張しなさそうだけど(笑)」
HARU
『そう見られなくても・・・心臓はバクバクなんだよ(笑)』
秋乃
「はぁぁ♡ 楽しみだなぁ・・・色々と(笑)」
HARU
『そうだね・・・色々と(笑)明日は、俺 早めにホテルに入ってるから、時間になったら駅に迎えにいくね。』
秋乃
「はーい。ありがとうHARU!」
HARU
『じゃぁ 明日ね! おやすみ AKI。』
秋乃
「おやすみぃ(●´ω`●)HARU・・・大好き♡」
そして翌日。
秋乃は 仕事を終えて、急いで新幹線に乗り込み、東京へ向かった。
待ち合わせは午後八時、上野駅の改札出口。
HARUがホテルのチェックインを済ませて、迎えに来てくれるとの事だった。
新幹線の中でメイクを直したり、荷物の整理をしているうちに、あっという間に時間が過ぎて、もうすぐ大宮...という頃に、到着が近いことをHARUにメールする。
秋乃
「もうすぐ大宮に着くみたいだよ。そっち着くまで30分も無いみたい。めちゃくちゃ緊張してきたよー」
HARU
『30分以内ね...分かった。調べたら、新幹線降りて 改札出口って1カ所しか無いみたいだから、その出口付近で待ってるね。降りたらすぐ電話して。そうすれば見つけやすいし、AKIの緊張も、声を聞きながら..なら 少しは和らぐんじゃない?(笑)』
秋乃
「うん、わかった。ありがとう(*´ω`*) 着いたら電話するね。」
あと10分程度で上野駅に到着・・・身支度を整えて、降りる準備をした。
新幹線がゆっくりホームへ滑り込む。到着を告げるアナウンスが流れ、秋乃は他の乗客たちと一緒にホームへ降り立つ。早速スマホを出して、HARUへコールをする。
HARU
『もしもし・・AKI、着いたんだね?』
秋乃
「うん、今着いて、新幹線降りた所。あぁ・・これどっちに行けばいいのかな?」
HARU
『どの階段上がってきても、改札出口は、ココ・・・俺の居る所を通るらしいから、同じ車両から降りた人達の後をついてくれば、たぶん大丈夫だよ。』
秋乃
「わかった、そうする。あぁぁぁ・・・・緊張するよぉ。」
HARU
『俺も・・・少し緊張してきた。』
秋乃
「あれ・・ココかなぁ? 改札みたいな所見えてきた。」
HARU
『じゃぁ、そろそろ俺からもAKIが見えるかな・・・? あ、わかった!俺、AKI見つけたよ(笑)』
秋乃
「え?!どこどこ??」
HARU
『俺・・見えてるから、ちゃんと改札 出ておいで(笑)』
キャリーバックを引きながら、改札を通ると・・・・そこにHARUが笑顔で立っていた。
ついに二人は、待ち望んでいたリアルな出逢いを果たした。