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『なんか・・・ドキドキする・・・』



愛華はドーナッツをほうばりながら、急にはずかしくなってきた。
隼人の話を聞きながらも、気がそぞろになってきてしまい、
きょろきょろと部屋を見回して気分を誤魔化すことにした。


隼人の部屋は、男の部屋にしてはきちんと片づけられている。
ロックが好きで、センスも良い隼人は愛華の自慢の兄だった。


TVのまえには山積みにされた隼人の好きなバンドのライブDVD・・・
そこに、さっき見てたのであろうアダルトDVDが隠すように紛れていた。
でも、相当慌てたのか隠し切れておらず、パッケージが目に留まる・・・


胸の大きな女の人が、制服を着て淫らなポーズをしている…
愛華は無意識のうちに凝視していたらしく、隼人がその視線の先に気づいた。




隼人:
「変なとこ・・・見られちゃったな・・・」

愛華:
「え?・・・あ・・・ごめん・・・」

隼人:
「謝んなよww母さんじゃなくてよかった(笑)
まぁ、母さんは俺の部屋に勝手に入ってこないけどな。」

愛華:
「でも、男の子は皆するって言うし、愛華だってもう子供じゃないもん。わかってるよ。」

隼人:
「愛華も大人になったって??どこが?」

愛華:
「もー!もう大人だもん!」

隼人:
「はいはい。」




愛華は隼人に子供扱いされて少しムキになった。



愛華:
「愛華だって、それなりに経験してるんだからね!」

隼人:
「へぇー、あのモヤシ相手にかw」




隼人が「モヤシ」と言うのは、もうすぐ一年の付き合いになる愛華の彼氏の真人で、
穏やかでとても優しいのだが、隼人はモヤシ呼ばわりしていてあまり好きではないらしい。


愛華も優しすぎる真人に不満がないわけではない。


真人は奥手で、キスするまでに半年を要し、つい最近やっと愛華はロストバージンを済ませた。
そう言いつつも、実際に経験したセッ♥クスは、痛いだけで気持ちよいものではなかった。


でも、あのDVDのパッケージ・・・あの制服を着た女の人はとても気持ち良さそうな顔をしている。
すごく・・うらやましくなった。



愛華:
「そうだよ・・・」

隼人:
「ふーん」

愛華:
「あー、お兄ちゃん信じてないでしょ?」

隼人:
「まぁな。」

愛華:
「本当だもん!もう立派な大人の女なんだから。」




そう言って隼人をポカポカと叩く。



隼人:
「イテっ・・止めろって。」




といって隼人が腕をとり、愛華は体勢を崩して隼人に倒れこむ形になった。


すると、愛華の太ももに、固いものが当たった・・




愛華:
「え・・・」




下を見ると、隼人のソレが怒張し、ズボンを押し上げていた。



隼人:
「愛華・・・」



そう言うと隼人は愛華を抱きしめ、キスをした。


愛華は、非現実的な展開に驚くことしかできなかった。




愛華:
「お・・にぃ・・ちゃん・・・・」

隼人:
「愛華・・・俺、もう隠していられない。愛華、俺はお前を妹として以上に愛してる。」

愛華:
「え?!」

隼人:
「お前に彼氏がいて、アイツとそんな事してるかと思うと耐えられない。」

愛華:
「え・・・だって・・兄妹だよ?」

隼人:
「俺たちは・・・本当の兄妹じゃない。」

愛華:
「は?」

隼人:
「愛華が2歳の時に親父と母さんが再婚したんだ。愛華は母さんの連れ子。
俺は親父の連れ子。お前は・・ちいさかったから、覚えてないんだろうな。」

愛華:
「え・・・本当に?」

隼人:
「あぁ、愛華の本当の父親は事故で亡くなって。こっちは離婚して。だから血は繋がってない。」

愛華:
「・・・・・・」

隼人:
「妹だって思って可愛がってきたよ。だけど、お前が大きくなっていって、
どんどん可愛くなってきて・・・
自分の気持ちをずっとおさえてきた。妹だって。だけど・・・もう無理だ。」

愛華:
「お兄ちゃん・・・」




愛華は、父親が実の父ではないコト、
隼人とは血がつながって無いことを知り、とてもショックだった。


でも、心のどこかで、少しホッとしていた。


今まで、隼人に彼女ができると、愛華はその彼女のことを嫌った。
許せなかった。友達にそのことを話すと、
「愛華のブラコンちょっといきすぎwww」と笑われ、
自分はおかしいのかと思っていたから。


・・・今はっきりとわかった。


真人に対しての物足りなさや、隼人の彼女に対しての嫉妬は、隼人のことが好きだったからだと。




愛華:
「お兄ちゃん・・・」

隼人:
「ごめん、こんなこと言って・・・困るよな。」

愛華:
「ううん・・・うれしい。愛華も・・・愛華もお兄ちゃんが好き。」




そう言うと、愛華は隼人に抱きつき、胸に顔をうずめる。




隼人:
「愛華・・・」




隼人はぎゅっと愛華を抱きしめ、壊れ物を扱うかのように優しくキスをした。




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